江戸時代中期の名主の家
ここは村内で名主役をつとめた旧家で、屋敷を囲むように構え堀が残る県内の豪農の代表例として、国の重要文化財に指定されています。 建物は入母屋造り茅葺の平屋建ての江戸時代中期の建築物で、大きな茅葺屋根が特徴的です。間取りは三間取大型広間型で土間は約40畳もある、広々とした空間が特徴です。家主の平山氏は、源平合戦にも登場した武蔵武士の一人、平山武者所李重の子孫と伝えられていて、戦国時代には現在の深谷市に居を構えていた上杉家に仕えたようですが、上杉家の衰亡に伴ってこの地に帰農したようです。以後、村の世襲名主を勤めるなど旧江南町内屈指の旧家となりました。
埼玉県には四棟の国指定重要文化財農家住宅がありますが、沖積低地に立地する例は平山家のみで、建築年代も最古の建築物とされています。