川越観光の超人気「ほっこり」スポット
川越の人気観光スポットである喜多院にある五百羅漢。日本三大羅漢のひとつにあげられています。ここの羅漢は釈迦の死後、その教えを経典にまとめるための初めての集会(結集)に集まった五百人の弟子の様子を表したものです。
五百羅漢は山門から境内に入った右側の石塀の中にあります。休憩所となりの入口から入場券を渡し一歩中に入ると、見事な石仏群が目に飛び込んできます。制作は川越・北田島の僧・志誠の発願で、天明2年(1782)から文政8年(1825)の50年の歳月をかけて538体の羅漢像を完成させました。天明年間は五百羅漢の信仰が盛んだった時代、五百羅漢造りに着手した志誠でしたが、40体程の羅漢を造ったところで病に冒され、66歳でこの世を去っています。志城の没後、その意志を喜多院の三学僧(慶厳、澄音、祐賢)が継ぎ、浄財や協力を求めて奔走したそうです。どれ一つとして同じ姿はなく、内緒話をしたり、笑っていたり、泣いていたり、怒っていたり、七輪で湯を沸かす羅漢像もあり、いつまで見ていても飽きることのないくらい、変化に富んでいるのが特徴です。しかし、大半の羅漢像には、首の切断痕や腕が失われるなど、破壊された傷跡が残っています。現在は修復されていますが、明治初めに起きた廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)運動によって、全国各地でこのような仏教施設(寺院・仏像など)の破壊が行われたことによる名残なのです。