神秘的な地下放水路の広さにビックリ!
世界最大級の地下放水路「首都圏外郭放水路」(愛称・彩龍の川)は、春日部市の地底50メートルに建設された総延長6.3キロの地下トンネルで、中川・綾瀬川流域の浸水被害を軽減するために作られました。国土交通省がおよそ13年をかけて建設し、平成18年6月に大落古利根川から江戸川までの全区間が完成しました。
中川・綾瀬川流域は、昔から浸水被害に悩まされてきた地域。地盤が低く平地が広がっているため、河川の流れがゆるやかで、大雨のたびに危険な状態が続いていたのです。「首都圏外郭放水路」は、中小河川の水があふれ出す前に「立坑」に取り込み、地下水路のトンネルへ流し、「調圧水槽」に送られて江戸川に排水されます。「立坑」は全部で5ヵ所に設置され、地下トンネルにつながっています。深さ約70m、内径約30mもある巨大な円筒状になっています。水の勢いを弱め、スムーズな流れを確保するための「調圧水槽」は、地下約22mに作られ、長さ177m、幅78m、高さ18mにもおよぶ巨大水槽。長さ7m、幅2m、高さ18m、重さ500トンの柱が59本も立っていて、その光景は地下神殿を思わせます。「排水ポンプ」は、国内最大級の巨大ポンプが4台あり、最大で1秒間に200立方m(25mプール1杯分)の水を排水することができます。これまでに約100回の稼働実績があり、中川・綾瀬川流域の浸水被害は大幅に軽減されています。