滝が流れ落ちるような光景に感動!
奥秩父随一の紅葉が楽しめる景勝地として知られる中津峡は、荒川上流の中津川の渓谷。その長さは10キロメートルにもおよび、断崖の高さは100メートルという壮大なスケールの大峡谷で、まさに埼玉の秘境と呼ぶにふさわしい観光スポットです。この中津峡の出合(秩父市中津川)・中津川右岸にそびえる断崖絶壁は、厳冬期になると岩肌にしみ出る石清水が凍りついて自然の氷壁が創り上げられることから、地元の人を中心に知る人ぞ知るカメラスポットでした。その氷壁が冬の観光名所として、テレビや雑誌などで紹介されるようになると、好奇心旺盛な観光客の皆さんが数多く訪れる人気スポットとなりました。
最盛期になると幅50メートル、高さ50メートルにもおよぶ氷壁群は、まるで絶壁を滝が流れ落ちるかのように見えることから、実際に荘厳な姿を目の当たりにすると、圧倒されてしまうほどの感動を味わうことができるのです。氷壁がこの場所に姿を現す理由は、一帯が寒暖の差がとても大きく、日中の太陽の光で融けた石清水が夜間に凍結することを繰り返しながら氷壁が大きく成長することと、まわりの山々の岩肌がむき出しに露出する岩山が多いため、切り立った岩山の壁面を流れる水が寒風にさらされ、凍りつきやすことによるものです。断崖絶壁にはいくつもの小さな滝が凍結してできた氷瀑が発生し、これが一面に広がり氷壁となるのです。氷壁のあまりの規模の大きさに「ライトアップもできないほどです」と地元観光協会の皆さんも苦笑するほど。