極彩色の彫刻はまさに埼玉日光
聖天山歓喜院 (しょうでんざん・かんぎいん) の本殿である聖天堂は、2012年に国宝に指定された古刹です。妻沼(めぬま)といえば聖天様、聖天様といえば妻沼といわれるほど、妻沼町とのつながりが深い日本三大聖天のひとつです。地元では縁結びの神様としての信仰を集めています。約830年前に創建され、火事で何度も再建されており、現在の建物は1760年 (宝暦10年) に完成しました。再建の費用は、幕府や豪商でなく、全て妻沼を中心とした庶民が負担したそうです。壁面には極めて緻密な彫刻が施され、日光東照宮を彷彿させることから、「埼玉日光」と称されるほどです。
聖天山の彫刻は、七福神や唐人が数多く登場しますが、よく見ると穏やかで優しい表情をしていることがわかります。また、壁面には動物の彫刻も見られます。可愛らしいものや、ユーモラスな姿にクスッと笑ってしまいそうです。平成15年から始まった大改修が2010年に終了し、約11億円かけて極彩色に塗られた美しい彫刻がよみがえりました。